あとぷうの日記

重症アトピーでした。脱ステ+脱保湿+食生活で治しました。参考になればです!

食品添加物について考える②/『長村教授の正しい添加物講義』を読んでみた

化学合成の食品添加物は、アトピーの敵!だと思っていて、極力避けるようにしているわたしですが、「やみくもにアンチ!」なのもどうかと思って、「安全安心である」という説明が納得できるものなら、ちゃんと理解したいと思っている今日このごろです。

世の中の食品は通常添加物だらけなので、もしも納得できるなら、そのほうがずっと生きやすいとも思っています(それが、おいしいかどうかはまた別問題)。

それで、食品添加物について、冷静に、肯定的な立場で語られているものがあれば、目を通すようにしているのですが、なかなか納得できるものがありません。

以前、朝日新聞の土曜版「GLOBE」(2015年10月18日)に「食品添加物」の特集が掲載されたときも、期待して読みましたが、「添加物は科学的に安全性が確認されたもの」「不安だと思う人もいる」といった両論併記で、あたりさわりのないことばかりでした。

食品添加物 -- 朝日新聞GLOBE

amazonで本を探してみると、アンチ食品添加物の本は多く見つかるのに、食品添加物を肯定的に扱ったものはあまり見当たりません。

まあ考えてみれば当たり前で、食品添加物について何か知識を得よう、調べてみようとする人は、添加物について懐疑的な人がほとんどで、添加物なんて特に気にせず(つまり添加物に肯定的で)ムシャムシャ食べてしまうような人は、ハナから食品添加物についての本を読んでみようなどと思わないのでしょう。

一方、書物においては多数派の「アンチ食品添加物」の本は扇情的な、戦闘モードなものも多く、これはこれで、いろいろ問題なのかな……とも思わされます。

そんな中で見つけた、『長村教授の正しい添加物講義』でした。

数少ない「添加物に肯定的」な本ですが、残念ながらこれを読んでも、わたしの買い物のしかたは変わりそうにありませんでした……。ううーん……。

この本の主張の1つは「無添加食品は決して安全ではない」ということ。

ここでまず「ん? 無添加なのに安全じゃないの?」と、思わず身を乗り出したのですが、これは結局、保存料を使わず管理が悪いと、食品がカビたり、腐敗したり、細菌感染して食中毒を引き起こしたりすることがある=結果、まったく安全でない、という展開でした。

これには、(少なくともわたしは)まったく納得できません。腐敗したり、細菌感染したりした食品なんて、安全じゃないに決まっています。これで、「無添加は安全じゃない」、なんて言われても、「えー」という感じです。「腐っている」「細菌感染している」ことがいけないわけで、「無添加」なことがいけないわけではありません。こういう論理の展開の仕方では、少なくとも、添加物に不信感を持っている人の心を動かすことはできないと思います(添加物に抵抗のない人の、「そうだよね! 添加物は有用だね!」という気持ちを補完することはできそうですが)。

そして、本では、「(認可されている)添加物は安全性に何の問題もなく、非常に有用」と、述べられていて、摂取量の問題についても、よくあげられる「閾値」の説明がされていました(閾値の説明とは、「(天然由来の)塩だって、しょう油だって、大量に摂取すれば死ぬ。添加物の過剰摂取による有害性があったとしても、これと同じ。とても現実的ではない」というものです)。

書かれていることはわかるのですが(そして、現段階においては科学的に正しいのだと思いますが)、やっぱり素直に、「はいそうですか」「添加物って、安全なんですね」という前向きな気持ちにはなれません……。

なぜって人間による長期摂取の実績がないからです。複雑な組み合わせによっては、そして体質によっては健康を損ねることだって、あるのではないかと思ってしまうのです。「今日、明日」の影響はないかもしれないけれど、長期的に安全性が保証されているかどうかは、わからないと思うのです(アトピーをこじらせた、わたしのような人は、疑い深いのです)。

また、笹で包んだ寿司や餅など、昔ながらの保存方法を取り上げ、現代、保存料として使われる「安息香酸」が、笹に含まれる成分であること、昔からこうした化学物質の安全な利用がされていた、ということが書かれているのですが、わたしにはどうしても「笹に天然の安息香酸が含まれて、結果として保存料の役目をしてきたこと」と、「人工的に作った安息香酸を保存料として食品に添加すること」が、「同じこと」とは思えないのです……。天然でも人工でも、同じ化学物質だから同じなんだ、といわれても納得できないのです……。

また、この本には、「発がん性」についての記述はあったのですが(否定してあります)、「アレルギー」については、(わたしが目を通した限り)書かれていませんでした。結局、わたしの最大関心事ともいえる、アレルギーと食品添加物の関係についてはどうなのでしょうか? 

「安心安全」といっても、それこそ「物質」としてはなんの危険性のない「食品」や「花粉」が、人によっては害になることもあるのは、今では異論をはさむ人はいないと思います。でも、これも、数十年前には、「小麦粉で呼吸困難になる」「いちごで顔が腫れあがる」なんて、信じられない(信じない)人もいたのではないでしょうか。

健康な人に、「食品添加物」のリスクが低いのは、事実なのだと思います。でも、体質が弱い人や、アレルギーの人には……??

そういうわけで、残念ながら食品添加物には相変わらず懐疑的なのですが、とはいっても、かたくなにならず、柔軟にいろいろな情報に当たっていきたいと思っています。