重症アトピー 3回のリバウンドで感じたこと・その2/実体験から
わたしは薬をやめたあと、3回のリバウントを経験し、そのたびにぼろぞうきんになり、なんとか這い上がり、そしてやがて元気になり、今にいたります。
3回のリバウンドで実感したことの2つ目は……
2)治らないときは治らない、治るときは治る
これも結局は1番目と同じなのですが……、これも強烈な実感です。
ときどき、「アトピーは掻かなければ治る」とか、「掻くからひどくなる」という意見を見かけますが、わたしはこの意見は、まったく的外れだと思います。
もちろん、軽症のアトピーで、「精神的なものもあり、いつもポリポリ掻くのが癖になっていて云々……」というのなら、そういうこともあるかもしれません。
でも、日常生活に支障が出るレベルの、中~重症の場合は違うと思います。
掻くから皮膚に傷がついて、湿疹になるなんてことありません。
先に内部に炎症があって→かゆいから→掻いて→皮膚が傷つくのです。
原因は内側にあるのだと思います。
今でもよく覚えていますが、リバウンド中のあるとき、胸の上(鎖骨のあたり)を掻き崩してしまったことがありました。
この鎖骨のあたりは、特にひどい箇所で、少しでも掻くと、皮膚がずるむけになってリンパ液があふれて悲惨な状態になるので、「ぜったい掻かないようにしなくちゃ」と思っていた場所でした。
でも、でも、99%気持ちを張って我慢していても、最後の1%で、がーっと掻き崩しちゃうんです……。
掻き崩したあとは、肌はヒリヒリ痛いし、ひどい後悔でいたたまれなくなります。
でも、そうなっちゃうんです。99%意志の力で耐えても、1%でダメにしちゃう。
そうして、あるときやっぱり掻き崩してしまい、「あー…これで、また一(いち)からだ」と、半泣きだったのですが、その数時間後、鏡を確かめたら、それまで熱を持ってべたべたに炎症をおこしていた傷口に薄皮ができて白くなっていたのです。
そして、そのまま快復に向かいました。
これには驚きました。
何日も、掻かないように肌に触らずにいても、リンパが止まらないときは止まらなかったのに、治っていくときは、たとえ掻き崩したとしても、時間をおかず、治っていったのです。
これに似た例は何度もありました。
掻くから治らないわけじゃありません。治らないから掻くのです。
いくら肌を触らないように(掻かないように)していても、湿疹が治まらないときは、何日経っても治まりません。
目に見えているのは皮膚の表面だけですが、もっと深い部分(身体全体)が、症状に関わっているのだと思います。
治らないときは治らない。治るときは治る。
当然、そこには理由があるはずです。
いま、アトピーのケアといえば、「肌バリア」など、表面的な部分に目が向けられることが多いような気がしますが、もっと、アトピーの本質的な原因――どのように起こるのか(そしてどのように治癒に向かうのか)など、芯の部分を明らかにしてほしいです。
それでこそ、「コントロール」などでない、本当の意味での「治癒」を目指せると思います。