あとぷうの日記

重症アトピーでした。脱ステ+脱保湿+食生活で治しました。参考になればです!

「悪い食べ物」といわないでほしい。子どもの気もち。

慢性アトピーの原因って、本当になんなんでしょう? 子ども時代~おとなまで、ずうーっと長年付き合ってきましたが、わたしには結局よくわかりませんでした。特定の食べ物なのか、合成添加物なのか、栄養過多なのか、はたまた栄養不足なのか、ハウスダストなのか、大気汚染や建材などのケミカルなのものなのか、花粉のように自然物のアレルギーなのか、気候なのか、運動不足なのか。

ところで、わたしが子どものときには、町のお医者さんに行くと、「青魚は避けてね」といわれていました。しばらくたつと、今度は「青魚のDHAが肌にいい」といわれはじめました。チョコレートや、刺激物、甘いものは(たまにはいいけれど)避けるべきものとして教えられました。肉に関しても、鶏はいい、いや鶏はダメ、とか、お医者さんによっていろいろあった気がします。

薬物療法のほかに、こんな感じの食べ物のアドバイスは、ふつうの町のお医者さんでもごく一般的だったと思います(今はどうなのでしょうね。食物アレルギーでなければ、むしろあまりいわないのかも?)。

こうして、初期のころから、甘いもの、市販のお菓子(スナック類)などは、わたしが食べてはいけない、ダメな食べ物でした。チョコレートなんかは、もう「ダメダメ」でした。

わたしの母は、こうした制限している食べ物のことを、ざっくりと「悪い食べ物」「よくない食べ物」と、呼んでいました。肌の調子が悪化すると、「ほら、このまえ『悪いもの』を食べたから」とか、「(友だちの家で)何か『よくない食べ物』食べたんじゃない?」なんていう風にいうのです。もちろん、母は、わたしの体にとって悪いものという意味で表現していただけで、特にひどい意味で使っていたわけではありません。いいかただって、ごくナチュラルないいかたでした(おどされたり、いやな感じでいわれたりしたわけではありません)。わたし自身も、母の表現する意味はちゃんと理解していました。

でも。

わたしにとって、物心ついたころには、チョコレートは「とても悪い食べ物」でした。クリームたっぷりのケーキも「悪い食べ物」でした。清涼飲料も同様。町を歩けば、悪いものだらけ。よくないものが世間にあふれていて、なんだか釈然としない感じを覚えたものです。

また、症状が悪化したときに、「悪いものを食べたから」といわれると、症状が悪化しているだけでも既につらいのに、「自分がダメだったから」「自分が悪い子だから」的な思考におちいりやすくなりました。そうではないと頭ではわかっていても、おちいるのです。

なんで、「悪い食べ物」が町中にあふれているのか? あの子はどうして「よくない食べ物」を食べて、親に怒られないのか。そう思うと、なんとなくやりきれない気持ちにもなりました。

だから、もしも現在、子どものためになんらかの食べ物の制限をしている人がいるとしたら、それらをざっくり簡単に、「悪い食べ物」と、いわないでほしいのです。めんどうでも、「いまは食べられない食べ物」「いまはがまんする食べ物」「食べると、症状が悪化しちゃうかもしれない(悪化する)食べ物」などのように話してあげてほしいのです。食べ物を「よい」「悪い」でくくらないでほしいのです

子どもは、それでなくても、症状のある自分に罪悪感をいだきがちです。親に対しては、(きっと親が想像する以上に)申し訳ないと思っています。そんな子どものためにも、おとなには、「悪い物を食べたから治らないんだ。→自分が悪いから治らないんだ」というような、単純な思考回路におちいらないような心くばりがほしいのです。